新型出生前診断(NIPT)は簡単な採血のみで胎児の状態や先天性な疾患を検査できるものですが、費用は高額です。
一般的に新型出生前診断(NIPT)の費用相場は約15〜20万円です。
決して安い金額ではないため、受けるべきか悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、NIPTなどの出生前診断の種類やその費用、特徴について解説します。
メリットデメリットもまとめていますので、不安な気持ちを和らげたい場合は、参考の一つとしてぜひ最後までお読みください。
出生前診断それぞれににかかる費用相場は
出生前診断の種類と費用相場について、以下の表にまとめています。
種類 | 特徴 | 費用 | 検査時期 |
---|---|---|---|
NIPT | 母体から血液採取し胎児の 染色体異常の可能性を調べる (妊娠10週以降) |
15万~20万円前後 | 10〜22週 |
超音波検査 (胎児ドック) |
お腹に超音波(エコー)を 当て胎児の発育状態を調べる |
約1万円〜5万円前後 | 11〜42週 |
母体血清マーカーテスト | 母親の血液から胎児の 染色体異常の可能性を調べる (妊娠15週以降、初期血清マーカーなら11週以降) |
3万円前後 | 15〜18週 |
コンバインド検査 | 超音波検査と 母体血清マーカー検査を 組み合わせ、胎児の 染色体異常の可能性を調べる |
5万前後 | 11〜13週 |
絨毛検査 | 胎盤の一部である 絨毛細胞を採取して、胎児の 染色体異常や先天性疾患を判定する |
10万円前後 | 15週以降 |
羊水検査 | 妊娠中に胎児の染色体異常や 先天性疾患を判定する |
15〜20万円前後 | 11〜14週 |
費用の目安①:NIPTは15万~20万円前後
新型出生前診断(NIPT)は、母体の採血のみで胎児の染色体異常の可能性を調べる検査です。
NIPTの費用は受ける施設によって異なりますが、15万円から20万円前後が相場です。
ただし、仮に陽性反応が出た場合、確定のためには、任意ですが羊水検査や絨毛検査などの確定的診断を受ける必要があります。
従来の検査に比べて精度が高いといわれていますが、100%ではないため陽性の場合は任意で確定的検査が必要になるということを理解しておきましょう。
費用の目安②:超音波(エコー)検査は約1万円〜5万円前後
通常の妊婦健診で行われる超音波(エコー)検査は、自治体からの補助券もでるため3,000円〜5,000円です。
超音波検査は、超音波を用いて胎児の心臓の状態を調べる検査ですが、エコー検査よりさらに詳しく調べるのが『胎児ドック』です。
胎児ドックは詳細な画像で精度の高い検査ですが、費用は約3万円〜5万円になります。
腹部にゼリーを塗り端子を体に当てて超音波を照射することで、跳ね返ってきた反射波を画像に映し出します。
この検査では、胎児の心臓の機能や形態などを調べることができ、母体の体への負担はないため安心して行える検査です。
費用の目安③:母体血清マーカーテストは3万円前後
母体血清マーカーテストはNIPTと同じように、母体から採取した血液を調べることで胎児の染色体異常の可能性を調べる検査です。
費用は3万円前後です。
よく似ているため、母体血清マーカーテストとNIPTの違いについて以下の表を参照ください。
種類 | NIPT | 母体血清マーカーテスト |
---|---|---|
時期 | 妊娠10週0日以降 | 妊娠15週0日〜18週頃(初期は11週〜) |
対象 | 21トリソミー(ダウン症候群) 8トリソミー(エドワーズ症候群) 13トリソミー(パトウ症候群) |
21トリソミー(ダウン症候群) 18トリソミー(エドワーズ症候群) 神経管閉鎖障害(開放性神経管奇形) |
感度 | 99%以上 | 感度:21トリソミー(86.67%) 18トリソミー(77.27%) 神経管閉鎖障害(開放性神経管奇形)(82.98%) |
費用 | 約5.5〜26.4万円(税込) | 約2〜3万円 |
大きな相違点は検査が受けられる時期ですが、どちらも非確定検査のため陽性の場合は任意で確定的検査が必要です。
費用の目安④:コンバインド検査は5万円前後
妊娠11~13週に超音波検査をおこない、ダウン症、18トリソミー、13トリソミーがある可能性の高さを調べる検査です。
費用の相場は5千円〜5万円前後と幅があり、料金体系も施設によってさまざまです。
超音波検査と血清マーカー検査を組み合わせて行われます。
コンバインド検査も非確定検査のため、陽性の場合は任意で確定的検査を受ける必要があります。
費用の目安⑤:絨毛検査は10万円前後
胎盤の一部である絨毛組織から細胞を採取して赤ちゃんの染色体異常症や、DNAの変化を調べる検査です。
費用相場は10万円前後です。
ただし、検査では組織採取するため腹部または膣から子宮に針や鉗子をさします(胎盤の位置によって採取方法が決まります)。
そのため約1%の流産リスクがあることから、初めはNIPT検査を受ける方が多いのが現状です。
絨毛検査は確定的検査のため、NIPTで陽性反応が出た場合や、超音波検査で胎児異常の可能性が高いと疑われる場合にに行われることがほとんどです。
出典:兵庫医科大学
費用の目安⑥:羊水検査は15〜20万円前後
羊水検査は、子宮の中にある羊水を採取し、羊水に含まれる細胞から胎児の染色体や遺伝子の確認をする検査方法です。
相場は15〜20万円前後です。
羊水検査も確定的検査として行われることがほとんどです。
母体腹部から子宮へニードル(注射針)を穿刺するため、胎児への影響がゼロとは言い切れず流産リスクは約0.1〜0.3%とされています。
出典:慶應義塾大学病院
出生前診断の費用は医療費控除・保険の対象外
出生前診断の費用は、医療費控除・保険の対象とはなりません。
なぜなら、医療費控除の対象は『病気での診療・治療に伴う医療行為』とされているからです。
たとえ、検査で胎児の染色体数の異常が発見されたとしても、それが必ずしも治療につながるものではないとされているため保険適用とはなりません。
出典:国税庁
新型出生前診断 (NIPT)とは?
妊娠10週以降の母体の血液から、胎児に染色体異常の可能性があるか確認するための検査です。
検査は母体からわずか約10mlの採血のみのため、安全性の高い検査だと言われています。
NIPT検査で分かるのは以下の通りです。
名前 | 染色体数 |
---|---|
21トリソミー(ダウン症候群) | 21番染色体が1本多い |
18トリソミー(エドワーズ症候群) | 18番染色体が1本多い |
13トリソミー(パトウ症候群) | 13番染色体が1本多い |
新型出生前診断(NIPT)を受けるメリット
採血のみで検査できるため母体と胎児へのリスクが少ない
NIPTは、母体からの採血のみで胎児の染色体異常の可能性を調べられます。
他の確定前診断に比べてリスクが低く流産の心配がないため、NIPTを選ぶ方が増えています。
施設によって判定できる項目は異なる場合がありますが、結果は『陰性・陽性・判定保留』があり、陽性の場合は任意で確定的検査が必要となります。
従来の検査より早い時期から検査時期可能
NIPTは妊娠10週から検査が可能です。
施設によって多少の違いはありますが、妊娠の早い時期に胎児の健康状態を知れるため、結果が陰性の場合は不安を和らげられます。
もしも、陽性だった場合は任意で羊水検査や絨毛検査などの確定的検査を受け、その結果に伴い今後どうするのか、受け入れの準備を進めていくことになります。
新型出生前診断(NIPT)は感度99%と精度が高い
NIPTは、21トリソミーについての感度は99%を超え、陰性的中率は99.99%と非常に精度の高い検査です。
他の確定前診断である超音波検査や母体血清マーカー検査などは、精度が80~85%であることを踏まえると、NIPTがいかに精度の高い検査方法か分かるでしょう。
ただし、精度は高いものの新型出生前診断(NIPT)は確定的検査ではありません。
母体の年齢により的中率は異なり、若い妊婦ほど偽陽性率は高くなります。
そのため、一定の頻度で偽陽性はあるということを念頭に、もし検査結果が陽性の場合は任意で確定的検査が必要です。
新型出生前診断(NIPT)を受けるデメリット
費用が高額
NIPTは健康保険適用外のため、費用が高額です。
受ける施設によって差はありますが、10〜20万円が相場です。
そのため、受けたいと思っていても費用の捻出が難しく断念する方もいます。
陽性の場合は羊水検査も必要
NIPTは非確定検査のため、もし陽性の場合、確定するためには任意ですが確定的検査が必要です。
羊水検査か絨毛検査が必要となり、わずかではありますが流産のリスクがある検査を受けなければなりません。
新型出生前診断(NIPT)を受ける基準は?
新型出生前診断は誰でも受けられますか?
受ける施設によっても異なりますが、日本医学会が定めた条件は以下のとおりです。
- 高年齢の妊婦(出産時35歳以上)
- 母体血清マーカー検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された妊婦
- 染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある妊婦
- 両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が13トリソミーまたは21トリソミーとなる可能性が示唆される妊婦
- 胎児超音波検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された妊婦
新型出生前診断を受けられる時期は?
おもに妊娠10〜16週で行われます。
とくに制限を設けていない施設もありますが、もしも陽性だった場合、任意ですが確定のためには羊水検査なども必要になることや今後どうするのか選択する必要があります。
そのため、できるだけ早く受検することをおすすめします。
出生前診断におすすめのクリニック
平石クリニック
- 検査費用はこれまでと変わらない
- 検査を2回行う
- 検査結果は2通届く
NIPT平石クリニックでは、日本のNIPTをリードしてきました。
費用を含めて実績や満足度においても、最もおすすめできるクリニックです。
以下に日本のNIPT業界をリードしてきた平石クリニックの歩みをまとめました。
2018年 | NIPT開始 2018年9月:NIPTを開始。検査結果が陽性の場合、羊水検査費用を全額負担するアフターフォロー体制を整える。 |
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2019年 | ライフコデックス社と業務提携 2019年3月:ドイツ ife codex(ライフコデックス)社と業務提携を開始。 ベリナタ・ヘルス社と業務提携 2019年10月:アメリカ Verinata Health(ベリナタヘルス)社と業務提携を開始。 2019年顧客満足度95% |
2020年 | 認定遺伝カウンセラーの無料電話相談開始 2020年1月:妊婦様が自宅など落ち着いた場所から専門家に相談できるよう、業界で初めて認定遺伝カウンセラーの無料電話相談を開始。認証外施設で最初に認定遺伝カウンセラーが在籍したのは平石クリニック。 妊婦様にマスクを送付 2020年4月:コロナ禍でマスクが手に入りにくい社会情勢を鑑みて、妊婦様にマスクを使っていただけるよう、妊婦様へのマスク送付を開始(累計配布枚数10万枚)。 来院時のタクシー代を負担 2020年4月:コロナ禍でも安心して来院していただけるよう来院時のタクシー代を負担。 2020年顧客満足度97% |
2021年 | 平石貴久院長TV出演 2021年2月:フジテレビ系列「ホンマでっか!?TV」・【ホンマでっか!?人生相談「やるかやらないかはアナタ次第」】に出生前診断評論家として平石貴久院長が出演。 早期検査開始 2021年5月:日本初妊娠6週目からのNIPTを開始。現在(2023年12月)では早期検査を行っているクリニックが増えましたが、日本で最初に早期検査を行ったのは平石クリニック。 2021年顧客満足度97% |
2022年 | 提携院数100院超え 2022年6月:提携院数が日本全国で100院を超える。 メディカバージェネティクス社と業務提携 2022年10月:キプロス Medicover genetics(メディカバージェネティクス)社と業務提携を開始。 2022年顧客満足度95% |
2023年 | 恵比寿移転 2023年2月:平石クリニック本院が六本木から恵比寿に移転。 TVCM放送 2023年3月:TVCM「この子のために、まずやること、できること」篇 放送 最新技術iFACT導入 2023年6月:クオリティチェック機能「iFACT」を導入。偽陽性や偽陰性がさらに少なくなる。 2023年1月~7月顧客満足度 96% |
上記をみてわかるように、実績が豊富で安心できるクリニックです。
クリニックの住所 | 東京都渋谷区恵比寿西1-10-7MMSビル6階 |
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検査可能な週数 | 妊娠6週~ |
検査内容 | ・1番~22番トリソミー検査 ・性染色体検査 ・微小欠失検査 (1p36欠失症候群、4p欠失症候群、5p欠失症候群、プラダー・ウィリ症候群、アンジェルマン症候群、22q11.2欠失症候群) ・性別判定 |
料金 | 180,000円~ |
陽性後のフォロー | ・羊水検査の費用は全額負担※ ・認定遺伝カウンセラーによる無料相談 |
※絨毛検査や微小欠失の羊水検査も全額負担いたします。
※一部クリニックを除きます。詳しくはお問い合わせください。
NIPT DNA先端医療
- 全国のクリニックで検査可能
- 羊水検査の費用は全額負担
- 無料で認定遺伝カウンセラーに相談できる
NIPT DNA先端医療は、認定遺伝カウンセラーの相談は無料で、羊水検査は全額負担してくれます。
出生前診断の費用は各クリニックによって異なりますが、相談料や羊水検査についての費用もクリニックを選ぶうえで大切なポイントです。
また、全国の採血医療機関のデータを一括で管理しているため、年中無休で検査状況を把握することができます。
クリニックの住所 | 全国各地 |
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検査可能な週数 | 妊娠6週~ |
検査内容 | ・1~22番トリソミー検査 ・性染色体検査 ・性別判断 ・微小欠失検査 |
料金 | 198,000円~ |
陽性後のフォロー | ・羊水検査全額負担 |
青山ラジュボークリニック
- 遺伝カウンセラーの無料相談を実施
- 検査結果は最短2日
- 当日予約・当日検査可能
青山ラジュボークリニックでは、当日に予約して当日に検査することができます。
遺伝カウンセラーによる無料相談も実施しているので、安心して検査することができるでしょう。
さらに、検査結果は最短2日で受け取ることができるので、なるべく早く結果を知りたい方にもおすすめです。
クリニックの住所 | 東京都港区南青山2-13-7 マトリス2F |
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検査可能な週数 | 妊娠6週~ |
検査内容 | ・13.18.21トリソミー検査 ・性染色体検査 ・上記含む全染色体検査(1~22番トリソミー検査) ・微小欠失検査 |
料金 | 80,000円~ |
陽性後のフォロー | ・羊水検査全額負担 |
ミネルバクリニック
- オンライン診療可能
- 第3世代のスーパーNIPT
- 陽性判定後の羊水検査は15万円まで負担
ミネルバクリニックは、オンラインに対応しているため、全国の方が利用することができます。
そしてミネルバクリニックはMEDICOVER社と独占契約しているため、日本で唯一、スーパーNIPT、カリオ7、デノボなど世界でも優れた検査を採用しているのが特徴です。
万が一陽性反応が出た場合は、羊水検査の費用を15万円まで負担してくれ、不安なことがあれば24時間院長に連絡することができます。
そのため、ミネルバクリニックでは検査内容に加えて万全のアフターフォローがあるので安心して検査することができるでしょう。
クリニックの住所 | 東京都港区北青山2-7-25 神宮外苑ビル1号館2階 |
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検査可能な週数 | 妊娠6週~ |
検査内容 | ・染色体数異常のリスク ・染色体構造異常のリスク ・遺伝子異常のリスク ・性別 |
料金 | 176,000円~ |
陽性後のフォロー | ・エコーで異常が発覚後の相談が常に無料 ・羊水検査の費用は15万円まで負担 ・出産後の異常発覚は遺伝子検査が1回無料 |
新型出生前診断の費用に関するよくある質問
新型出生前診断に補助はありますか?
新型出生前診断は自由診療のため補助はありません。
また、医療費控除や健康保険も対象外です。
高額高額療養費制度なども対象にはならず全額自己負担になります。(2023年11月現在)
新型出生前診断は35歳以上なら受けるべきですか?
新型出生前診断は任意のため、35歳以上の妊婦が必ず受けなければならないものではありません。
しかし、現在妊婦の高齢化が進んでおり、35歳以上になると胎児の染色体異常が起きる割合が高くなるとされています。
35歳以上になると卵巣機能が低下していく生理現象で卵子が老化するため、受精しても細胞分裂しにくくなることが影響していると考えられています。
出典:日本経済新聞
出産前に胎児の健康状態を確認しておきたいという気持ちの反面、陽性だった場合には命の選択にもなりかねず逆に深い悩みを抱える可能性もあります。
編集部
出典:厚生労働省
新型出生前診断で陰性なのにダウン症などであることはありますか?
新型出生前診断は確定的検査ではないため、わずかではありますが陰性なのにダウン症であることもあります。
偽陰性になる確率は0.1%以下で、これは1,000人受験したうち1人が偽陰性になることを指しています。
他の確定前診断に比べて低い確率ではありますが、偽陰性の確率は0ではないことを念頭に置いておきましょう。
新型出生前診断の費用は15万円以上が相場
新型出生前診断は、医療費控除などが対象外のため費用は高額になります。
また、検査ができる病院がそばになく、遠方に住んでいる場合は交通費なども考慮しなければなりません。
しかし、他の出生前診断に比べて母体と胎児へのリスクは低く検査の精度も高いことからNIPTを受検希望する方は増えています。
大事なのは、納得してNIPT検査を受けることです。
NIPT検査をもし受ける場合には、遺伝カウンセリングを受け専門家に相談しましょう。
その上で、パートナーとよく話し合った上で受検するか決めることをおすすめします。