発売日
2025年6月30日(国内発売開始)
当院では2025年7月1日より処方開始
基本情報
- スリンダ錠28は、低用量ピル(LEP)「アリッサ」「ヤーズ(ドロエチ)」「ヤーズフレックス」に含まれる黄体ホルモン【ドロスピレノン】だけを含むプロゲスチン製剤です。
- 通常のピルに含まれているエストロゲンを含んでいない経口避妊薬のため、「ミニピル」または「POP」と呼ばれ、世界62か国以上で承認実績があります(2025年1月時点)
避妊効果がある理由
スリンダ錠は以下の3つの作用で避妊効果を発揮します
- 排卵抑制:プロゲスチン(ドロスピレノン)により、LHサージを抑制し排卵を防止
- 子宮内膜の菲薄化・受精卵の着床を抑制:受精卵を着床しにくくする
- 子宮頸管粘液の粘性を増加:精子が子宮に侵入するのを妨げる
メリット
血栓症リスクがない
血栓症の原因となるエストロゲンを含まないため、低用量ピル(OC/LEP)に比べて血栓症のリスクがありません。
服用可能な方の範囲が増える
喫煙者、高血圧、肥満、脂質異常症、40歳以上、血栓症リスクがある女性など、従来のピルの内服が禁忌だった方や控えた方が良い方にも処方が可能です。
月経痛・PMS症状の緩和
低用量ピル(OC/LEP)と同様に、排卵が抑制されホルモンが安定されるため、PMSが起こらず、本来の自然の月経は起こりません。月経痛やPMSが緩和されるでしょう。
吐き気などの出現が極めて低い
エストロゲンが入っていないためエストロゲンに伴う副作用の出現は低いです。
産後直後や授乳中でも内服可能
ピルは血栓リスクがあったため、産後の開始時期が決まっていましたが、スリンダは産後直後から開始できます。母乳には移行することが確認されていますが(添付文書上は中止を検討と書かれていますが)、移行率はわずかなので授乳も使用可能です。
デメリット
不正出血
使用開始初期は少量の不正出血が続くことがあります。30〜50%程度の方が経験されます。継続して使用することで頻度が低くなってきます。
使用方法
- 1日1回1錠 一定時刻に服用します。
- 1シートは28日分で、24錠の実薬+4錠のプラセボ(偽薬)です。
- 偽薬内服中に、少量の月経様出血が起こります。出血が起きないこともありますので、2シート連続で出血がない場合は、妊娠していないかのチェックをしてください。
避妊成功率:約99.6%
- スリンダのパール指数は、国内の臨床試験でのパール指数は0.39です(Kitamura K ea al. 2025)
避妊効果を表すパール指数は、この方法を100人の女性が1年間使った場合の妊娠する人数で表されます。 - 臨床試験では、正しく服用された場合の妊娠例はほぼなし(例外として、8日連続して飲み忘れた場合の妊娠が報告あり)
価格
1シート(1ヶ月分) 3,300円(税込)
(学割料金 : 2,980円)
※別途診察料がかかります。