LEP(月経困難症の治療薬)
Low does Estrogen Progestin

ピル(OC)もLEPも、E(エストロゲン)とP(プロゲスチン)の合剤ですが、OCは避妊を目的にして用いる薬剤、 LEPは月経困難症の治療や子宮内膜症の予防などを目的に用いる薬剤で、ピルよりもE(エストロゲン)が少なく低用量化されています。

LEP製剤は3種類。
その違いはP(プロゲスチン)の違いです。

ノルエチステロン/E(エストロゲン)

【ULDルナベル】【フリウェルULD】

  • E(エストロゲン)が20μg/1錠で最も低用量
  • 2018年12月発売予定

【LDルナベル】【フリウェルLD】

  • E(エストロゲン)が35μg/1錠で低用量
周期的投与

ドロスピレノン/E(エストロゲン)

抗アンドロゲン作用があるので、にきびや吹き出物、月経前の不調を訴える方には効果的です。

【ヤーズ】

  • E(エストロゲン)が20μg/1錠で最も低用量
周期的投与

【ヤーズフレックス】

  • E(エストロゲン)が20μg/1錠で最も低用量
連続投与

レボノルゲストレル/E(エストロゲン)

【ジェミーナ】

  • E(エストロゲン)が20μg/1錠で最も低用量
  • 発売されたばかりなので、2019年9月までは1シート(1ヶ月分)ずつの処方になります。
周期的投与

連続投与

LEPはどのように作用するのでしょうか?

基本的にはピルと同様であり、排卵を抑えることによって月経痛が軽減されます。

1. 排卵抑制(主作用)

LEPに含まれる成分(エストロゲン、プロゲスチン)が性上位中枢である視床下部と脳下垂体に作用し、卵巣から既にエストロゲン、プロゲスチンが 分泌されているという情報に置き換える為、FSHとLHの分泌を休止させるので卵子は成熟することが出来ず、排卵が起こりません。

2. 精子進入抑制

子宮の入り口である子宮頚管の粘液の性状が濃厚粘調となり、精子の進入を妨げます。

3. 着床抑制

万が一、精子が子宮頚管を通過し受精したとしても子宮内膜は着床の準備をしていないので(多少厚くなりますがみずみずしくはなりません)着床することはありません。

LEPは卵巣機能をお休みさせるのです

この仕組みは、いつも働き続けているものではなく、女性が産む・産まないによって働いたり休んだり、自由にコントロールされているのです。
それが生物としての本来の姿です。
しかし、現代の女性はなかなか妊娠・出産を望まなくなっており、こうしたライフスタイルがむしろ卵巣をいつも働かせ続けており、子宮内膜症などの新たな病気を増やしてもいるのです。

では、飲み忘れた時はどうしたらいいのでしょうか?

  • 48時間未満(1錠飲み忘れた場合)→気付いた時点で1錠服用し、その後1日1錠ずつLEPを定刻に服用
  • 48時間→定刻に2錠服用
  • 48~72時間(2~3錠飲み忘れた場合)→気付いた時点で2錠服用し、その後1日1錠ずつ服用

少量の出血があってもそのまま継続。出血が多く続けば、リセットする。

LEPを服用する上での注意

次にあてはまる人は医師の指示に従って下さい。

  • 40歳以上の人
  • 近親者に乳癌の既往のある人
  • 家族に血栓症の既往のある人
  • てんかんの人
  • 喫煙者
  • 糖尿病など耐糖能異常がある人

次にあてはまる人は服用はできません。

  • 乳癌、子宮癌やその疑いのある人
  • 現在又は過去に静脈血栓症*にかかったことのある人
  • ヘビースモーカー(1日15本以上)
  • 高血圧(160/100以上)
  • 妊娠または妊娠している可能性のある人
  • 授乳中の人

*血栓症:血管の中に血の固まりができ血液の流れが悪くなる病気

LEPを飲んでいてもコンドームの併用をお勧めします

  • LEP製剤の避妊効果は不確実です。
  • 日本では、今、性感染症が蔓延しており、お互い性感染症から身を守ることは 非常に大切です。
  • 信頼した関係同士であっても、もしも・・・、ということがあるのではないでしょうか。

こんな時は連絡してください

  • 服用してから、不正出血などの不安な症状が現れたときは、クリニックに連絡してください。
  • 飲み忘れた時の対処法などで不安な時も連絡してください。

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